2018/03/23 01:48


オーロラの滝はまばらな鏡。ふっと息を吹けば、目の前を通れば、映る姿は変わっていく。

毎日ドレッサーと顔を合わせて今日の私を確認する。昨日より少し可愛いとか、可愛くないとか、自分しか気がつかない小さな変化を愛してあげる。

みんなは個性的だって言うけれど、その個性ってどう見えてるの?私には本当の私は見えないから。



MEMUSEの2シーズン目となる2018年秋冬コレクションのテーマは「CLASS」。私たちがその昔、小さな部屋でおなじみのメンバーとたわいのない話をしながら過ごしていた、あの時間が蘇る。「教室」と書きはするけれど、別に大切なことを教えてもらったつもりなんてないよ。



クラスの垣根を越えて人気者だったあの子は今、何をしてるのだろう。その美貌と健気さを、どんな風に守っているのかな。
 
ポーカーフェイスでいつも的確な意見をくれたあの子は、今でもまとめ役なんだろうか。


名前は思い出せないけど妙に華があったあの子は、引っ込み思案を直したかしら。あぁ、でも、直すものなんかじゃないわ。



クラスの誰でも“役割”を持っている。誰か一人でも欠けてしまったら物語は成り立たない。私たちは今になって、あの部屋を思い出すことでようやく気がつく。



チェックはワンパターンじゃなきゃダメとか、スカートは膝丈じゃないとダメとか、ズボンを履くのはおかしいとか、つまらない規則を掻い潜った先に掴んだものが、たぶん個性というのだろう。



だからいま、この鏡の前にいる子たちは個性的と言ってもいいのかもしれない。本人が自覚してようとしてなかろうと。



女の子は、女の子でいることに背徳感を感じなくても良い。いつまでもレースとリボンが好きで、セーラーカラーに憧れて、古びた洋館のカーテンみたいな花柄に惹かれる。それでいいんだよ。


あなたはどう?


text. Azu Satoh


タブロイド販売中