2018/02/22 10:27


春、3月。


身も心も解放される季節に表現したいのはLiberté=自由な女性。そんな女性や空気を探しにフランスまでやってきました。

※この記事は2016年3月、パリコレ取材中に執筆した記事です。


自由・平等・友愛を掲げる国フランスでは、今年の秋冬のトレンドを左右するファッションウィークの真っ最中!パリはいつも以上に活気があり夜遅くまで賑わっています。


「パリコレ」という名称で日本では親しまれていますが、正式にはParis Fashion Week、フランス語ではSemaine de la Modeと呼ばれています。一日に10個ものショーがパリの至るところで開催されて、それが9日間続くのだから、まさしくFashion Week!なんです。


Paris aime la mode!パリはファッションがお好き


wpfw4


街中ではファッションウィークの盛り上がりを感じさせる光景をよく見かけます。例えば、こちらの巨大な広告。パリ・ファッションウィークは世界中のファッションウィークの中でも最も歴史があり注目される、業界イチの大イベントです。パリでは市をあげてファッションウィークのPRをするべく、こうして広告を打っているのです。


wpfw3


ショー会場の前には雑誌の広告がゲリラ的に貼られることも。記念に一枚お土産に...なんて思ったのですが、ちょっと大きすぎて断念しました。 


バイヤーやジャーナリスト、ファッショエディターなど、世界中からファッション業界の人々が集まるので、たった9日間でもパリ市にとっては大事な時期。市をあげてファッションウィークを応援していて、会場にパリ市庁舎をはじめとした公共施設が使用されることもしばしば。中にはパッサージュを大胆に使って一般人も観れるようなショーもあったりして、街全体でファッションウィークを感じられる、パリならではの刺激的な空気で満ちています。


wpfw9


会場前でスナップをしていると、トートバッグと一本のガーベラを配っている軍団が!これもよく見られる光景で、ショーに来た業界人やファッション好きの若者達、観光客に向けたプロモーション作戦です。今まで靴下やヘアアクセサリー、ドリンクなどが配られていたことはありましたが、花なんて初めて!こちらのレディを思わずパシャリ。4日目にしてすでに疲れているそう(笑)


Il lumière rouge!信号は守ろう


wpfw5


あちらこちらで楽しく賑やかなのはいいものの、街中が手をあげて大歓迎!というわけではありません。大きなメゾンのショーともなると、フランスの国民的スターや誰もが知っているセレブまで「超」が付く有名人が来場するので、聞きつけたパパラッチで会場前は大騒ぎ。来場客の車だけでも大渋滞な上、セレブたちをキャッチしようとカメラマンが道路に飛び出してセレブを取り囲むので、クラクションの嵐が起こることもしばしば。警察も出動するほどです。


wpfw10


交通渋滞の原因にもなっている(?)PFW公式カー。いつか乗れたらいいな、なんて思いながら下っ端は地道にメトロで移動するのです。他にも、インビテーションを提示すると次の会場まで乗せてくれる大型シャトルバスが出ているので、会場間の移動は楽々!セーヌ川を優雅に渡る船まで出ています。


ちょっぴりこの渋滞騒動には頭を抱えているようですが、やはりモードの聖地・パリ。買い物中、店員と話したりすると「ファッションウィークで来たのかい?」と聞かれるほど、この街では当たり前のイベントになっているよう。歩いているだけでも「その服素敵ね」なんて声をかけられるので、フランス人のファッションに対する教養の深さ、というか感度の高さには毎回感動させられます。


Vivre la mode!ファッションに生きよ!


wpfw12


ファッション漬けの9日間、いくつかショーを見る機会がありました。こちらは4日目に行われたChalayanのショー。4色の大きなライトがランウェイを歩くモデルに照射されることで規則正しく影を作り出し、布の動きを光と影と色がシンクロする、幻想的なショーでした。


wpfw7

「Noise」をテーマにパリ一日目にコレクションを発表したANREALAGE。モデルを囲う網のような壁と生地が合わさることで模様が浮き出て見えるという仕掛けに、初日から興奮が止まりません。写真を見て思ったのが、「ノイズって、フィルターを通さないと感じないんだなぁ」ということ。服も結局フィルターのようなもので、ハーモニーとはまた少し違う、心地よい「ノイズ」を生むためにどうやってファッションを楽しもうか、なんて考えさせられるショーでした。


wpfw6


ヘアメイクをしたままのモデルさんを見ることができるのも会場前でスナップをしている特権。ブランドの世界観が街に出た時、どう映るのかをその場で感じることができます。写真はISSEY MIYAKEのショー後。


wpfw11


Paris fashion Weekが世界中の人を魅了してやまないのは、ファッションを愛する人々が全身全霊をかけておしゃれをしてやってくるから。着せられた服ではなく、自分がいいと思った、自分に似合うものを身につけるからこそ滲み出る魅力が、ここには溢れているのです。


ファッション業界にいたら当たり前のことでも、他の仕事をしていたらなかなか見えないファッションの流れ。舞台裏をちらりと知れば、ファッションをもっと自由に楽しめるかも!まだまだ続くファッションウィーク、自由で自信あふれる女性を探しに、今日もパリを駆け巡ります。

Text. Azu Satoh


☆ROBEタブロイド販売中☆